——英語圏と日本の「抜けた歯」のちがい
子どもの乳歯が抜けるとき。それは世界中の親子にとって小さな通過儀礼のようなものです。でもその“抜けた歯”をどうするかは、国や地域によって驚くほど違います。
英語圏では、枕の下に抜けた歯を置いておくと、夜中に「Tooth Fairy(トゥース・フェアリー)」という妖精がやってきて、歯と引き換えにコインやプレゼントを置いていく——という夢のあるお話が定番です。子どもたちは「どんなコインがもらえるかな?」「妖精はどんな姿なんだろう?」とワクワクしながら眠りにつきます。
一方、日本の風習はちょっとユニークです。抜けた歯を屋根の上や床下に「投げる」ことで、歯が丈夫に生えてくるよう願うのが伝統的なスタイル。上の歯が抜けたら縁の下へ、下の歯が抜けたら屋根の上へ投げる事が多いです。
この違いは、どちらが良い・悪いではなく、文化の味わいそのもの。英語圏は「妖精とプレゼント」で子どもに“ごほうび”を、日本は「自然と祈り」で“健やかな成長”を願います。
どちらも、子どもの成長を見守る大人たちのあたたかい気持ちが詰まった素敵な儀式です。
ちなみに最近の日本でも、トゥース・フェアリーの習慣を取り入れる家庭も増えてきました。小さな封筒に入れて「妖精さんにあげようね」と、海外風に楽しむのもアリ。文化をミックスしながら、家族の思い出を作っていくのも現代ならではの魅力です。
抜けた乳歯は、成長のしるし。
投げてもよし、しまってもよし。
世界には、いろんな「さよなら」のしかたがあるのです。